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旦那コラム
村と反政府組織
漫画で紹介したチャムラやシナンカタン等の村々の近辺にはサパティスタ民族解放軍という、早い話が反政府組織がありました。
サパティスタ民族解放軍
正直あまり詳しくはないですし、会ったことはないのですが、農民を中心にした組織で、この辺りでは比較的身近な組織のようでした。
元々、サパティスタ民族解放軍は、1994年の北米自由貿易協定を契機に武装蜂起しました。
自由貿易によりメキシコに、例えばアメリカの安いトウモロコシが輸入されることで、メキシコの農業が崩壊し、農民が貧困にあえぐことに対して反対したためです。
メキシコ政府とサパティスタの激しい戦闘で、多くの人が傷つきましたが、サパティスタは途中で対話路線へと転換し、農民の生活向上や民主化に努めました。
そんなことがあったからか、サパティスタは他の反政府組織と比較すると、地元の人々に受け入れられていた風に感じられました。
中米・南米の反政府活動
実は状況は少しずつ異なるものの、中米から南米にかけて、反政府活動は多く見られます。
サパティスタは恐れられながらも、まだ受け入れられている方だと思いますが、もっと残忍なケースも多くあるのです。
ゲリラが農村を襲い、多くの農民が理由も分からず殺されたような所もありました。
農民達が結束し政府に対して抗議をしたら、政府軍に銃撃されたというような国もありました。
森の多い地方では、どこに反政府組織が潜んでいるか分からないから、そっち方面には行くことができない。なんて国もありました。
土地について
何がそのような武力衝突の原因となったのでしょうか。
旅をする中で現地の人に聞き、多くの場合で共通の答えとして返ってきたのは「土地のため」という言葉でした。
それは聞いた時、土地なんていっぱいあるじゃないかとも思ったものですが、彼らは口をそろえて、「土地はとても大切だ」と言うのです。
先進国の会社が中米から南米の発展途上国に、大きな工場を建てたりします。その時は森を切り開き、水を使い、資源を浪費します。しかし、地元への還元が少ないこともありました。
これを搾取ととらえ、武装蜂起をする例もあります。この場合の「土地のため」とは「資源のため」とも言い換えられるでしょう。
あるいは、先進国の政府が軍事基地を建てたりします。元々住んでいた人達からすれば、外国の武力が自国に入ってくることに納得できず、反対活動の中でゲリラ化するということもあるかもしれません。
基地の場所は、彼らにとっては取り返すべき「土地」なのかもしれませんね。
先進国
こういった例で散見されるのは先進国の関わりです。
先進国が発展途上国に入り込み、先住民たちに不利な状況を作る。そして、政府はどちらかというと先進国寄りに見えて、それに対しても反発心が湧いてくる。
どうも旅行していると、旅行先の国の人の中にそんな感情が見え隠れする時がありました。
こういったわだかまりは、決して遠い過去のものとは限らず、2010年時点ではまだどこか人々の心の端っこに残っていたのです。
もちろん自国政府の腐敗が原因の場合もありますから、すべてのケースで同様とは言いませんが、先進国に住むものとして少し考えさせられることなのかもしれません。
メキシコ シナカンタンにて
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